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吉原食糧株式会社
香川県坂出市林田町4285-152
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さぬきの夢を知る

市場(マーケット)が評価する「さぬきうどん」の特性

(a) 消費者が評価する食感・食味

讃岐の消費者はうどんの食感について「硬いだけ」「柔らかいだけ」という、単純な食感を嫌います。もちもちとして口あたりは柔らかいが、同時に適度な弾力を感じるという複合感のある食感をうどんに求めます。

この食感の実現には、

  1. 「小麦粉を選定し、生地のグルテンの物性をいかに適切に鍛え、適度な弾力を持たせるか」
  2. 「小麦粉中の澱粉質の特徴をどう生かすか」
  3. 「茹後、最良の状態でいかに提供し続けるか」

の3点がポイントとなります。
従って、原料となる小麦粉の選定、塩濃度・加水・熟成・生地の鍛え等の製造技術、店舗のオペレーションの3つをうまく掛け合わせる必要があり、どれが欠けても質の高いうどんの提供は難しいということになります。

又、口の中で麺を噛む際、鼻にぬける香り(ここでは「風味」と表現します)と、舌で感じる麺の旨みもうどんの美味しさを決定づける大事な要素です。うどんに醤油を少々垂らし、葱と生姜のすりおろしだけの素朴な食べ方は讃岐では昔からあり、この食べ方の醍醐味は麺そのものの旨みを味わうことにあります。
この、麺自体を味わうという食べ方は、讃岐地方特有のものでしょう。
具やつゆと共にうどん全体を愉しむという前にまず 麺そのものにこだわるという讃岐特有の嗜好がここに現れています。

この麺自体の味や風味を評価する嗜好は、讃岐が温暖な環境下にあることと、食文化として昔から、香辛料や蓄肉系の呈味性の強い味を好まず、比較的あっさりした(但し魚介類や海藻類の(ダシ)味を強く好む)「味の嗜好性」と関係があるものと考えます。
例えば、寒冷地では麺のそのものの味や風味を感じにくく、つゆやだしに重点を置く傾向になることは自然なことかもしれません。

さて、讃岐の消費者は、うどんは生き物ということを舌で知っています。茹で上げ後、うどんの食感は時間と共に急速に変化していくことをよく知っています。
つまり、出来立てのうどんが最良であるという認識の上に、うどんの提供の仕方と食べ方の文化、そして評価基準が讃岐にはあるのです。
輝くような光沢のうどん、口の中で「柔」と「弾力」の見事な融合、麺の旨みと風味の味わい........いかに生きたうどんを出すか。その出来栄えを消費者は評価するわけです。

(b) 外食うどん店が評価する小麦粉の特性

外食うどん店は前述の、消費者の食味・食感の嗜好に合わせた形で提供する必要があり、原料の小麦粉にはそれを実現できる特性が求められ評価されることになります。

当社では、讃岐うどん専用小麦粉を食感や色相などの目的にそって用意しており、製品単体か もしくは製品を組み合わせることで望む特性がほぼ全て実現できるように設計されたマトリクス製品群を取り揃えています。

麺の食感・食味の他に、業務用うどんの機能として「茹後の老化の遅さ」は大事なポイントとなります。
麺の老化のメカニズムとして、加熱により膨潤したゲル状のアルファ化した澱粉が、常温で時間と共に亀裂を生じ水分を分離し始めるために起きるため、その抑制には限界があります。
老化を最低限に抑えるためには、原料である小麦粉の特性と共に、加工技術の工夫も不可欠な要素となります。

麺の「滑らかさ」は常用な要素ですが、加工澱粉をかなり配合したあまり極端な滑らかさ(ツルツル感)は讃岐うどんの専門店用としては、長期的にみて消費者に飽きられることが多いようです。ただ 最近の消費者の嗜好性としては、滑らかで口あたりの柔 らかい食感が好まれますので、その方向での改良としての隠し味的な工夫としてはその限りではありません。

麺の「色相」と「光沢」も美味しさの大事な要素です。明るい黄白色のうどんはオーストラリア小麦の優れた特徴でもあります。一方、さぬきの夢2000も含めて、最近の国内産小麦は色相・光沢の点はかなり改良されてきました。
さぬきの夢2000のうどんの色相は、色のくすみはなく、食欲を促す明るくやや濃い黄色目です。

又、最近うどん専門店から、(a)でふれた麺の風味・味に関する要求が増加してきています。麺の風味・旨味の問題は、小麦粉のたんぱく質や澱粉という物性の問題と違い、小麦粉の特性や加工・環境の要素の他に、麺内の塩の残留度合や、時間による変質という変数が微妙に絡む複雑な系となり、再現性の難しい課題でもあります。

(c) 麺メーカーが求める小麦粉特性 ~ 各温度帯別

(1) 乾麺(うどん)

手打生うどんの食感(滑めらかさともちもち感)に如何に近づけるかがポイントとなる。従来の「硬め」という乾麺のイメ-ジからいかに「生うどんの食感」に近づけるか。
「保存食としての乾麺から、美味しさの乾麺へ」として、多加水、長めな生地の熟成時間、グルテン質の鍛えのためにいろいろな方向へ延ばす目的で生地の織り方を工夫する等、製法の工夫が進んでいる。

原材料の小麦粉の傾向としては、総じてやや蛋白含有量の多い小麦粉から、生麺用に近い柔らかめな食感になる特性の小麦粉に移行してきた感がある。見方を変えると、香川県生産の10年程前の乾麺(うどん)に比べ、現在では麺の色は明るく冴えた製品が増えたが、麺そのものの味・風味は淡白になってきている傾向がみられる。
一方、食感はより生うどんに近づいてきており、美味しさの改良は確実に進んでいる。
色は明るめで、もちもち感が強く、茹時間は短く...という現代の嗜好性に合わせての変化とみることができるだろう。
茹時間の短縮も大事な課題となっている。

(2) 半生麺(うどん)

乾麺と同じく「手打生うどん」にいかに近づけるか。保存期間1~3ヶ月の間変色を抑え、弾力ともちもち感の維持が重要なポイントである。
茹時間の短縮は、半生麺にも特に重要な課題である。

現在の半生うどんは、酒精(アルコール)や酸味料を練りこみ、密封袋内の脱酸素財による酸素量低減で麺の腐敗・変質を抑えている。しかし製造後、一般的に2日程経過すると麺を構成するグルテン質は軟化し始める。

20%前半まで麺の水分を落とす乾燥により、ある程度その軟化(麺の食感が柔らかくなる)は抑えられるものの、麺のプツッとした硬さが出てくるため、生うどんの食感からは離れてくる。
これらの課題に対処すべく、乾麺と同じく多加水・長めな生地の熟成時間、手打うどんに近づけた生地の鍛え等の技術的工夫が続いている。
小麦粉としては、うどんの食感として滑らかでもちもち感が強く、灰分の低い色相の明るい小麦粉が求められる。

加工澱粉を若干量配合する場合もあるが、うどん本来の味や風味が抑えられる傾向があることに留意する必要がある。加水量と塩濃度、ミキシング後のそぼろ状態の生地の扱いと、生地熟成の技術を用いると、加工澱粉は必要なく十分に滑らかでもちもち感の強いうどんの食感の実現が可能である。

また、製品保存中の麺折れ(特に折り曲げ部分)を抑えることも製品の価値を維持する上で大切重要である。この麺折れの対処には、小麦粉中のグルテン質(グルテニン、グリアジン)の量と質、生地の鍛え具合、麺の乾燥度合によって決まる。

案外見落とされているのは生地の鍛え工程であり、オーストラリア産小麦粉は生来しっかりとした頑丈なグルテン質を有しているので麺折れは出難く問題は少ないが、その点国内産小麦を使用する場合は、その小麦粉のグルテン質の特性をよく知り、グルテン質の弾力を十分引き出す技術的対応をとる必要がある。

技術面については、お問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。

(3) チルド麺(茹うどん)

菌数の抑制、色相(保存期間中の変色の抑え)、賞味期間中(例:3日間)の弾力の 維持がポイントとなる。 本来、澱粉の老化(ぼそぼそとした食感の要因)は、チルド温度帯で最も顕著となる。その老化を抑え、弾力のある食感を保存期間中維持するには、小麦粉の技術対応が必要となる。
人の口に「麺に弾力がある」と感じさせるには、麺そのものの物理的なしっかりした硬さ(弾性)を持たせる方法と、一度はβ化して離水状態にある澱粉質を、再加熱した時にある程度復元する方法の2つがある。
蛋白質含有量が少なく、柔らかなグルテン質を持つ「さぬきの夢2000」を主に使用し、製粉の配合技術を用いてチルド温度帯3日保存のうどんを実現することは可能である。

(4) 冷凍麺(うどん)

加工澱粉を配合した小麦粉ミックスを使用する。 加工澱粉を配合する目的は、うどんの量産化対応として熟成時間を節減し、連続生産の中でうどんの食感に滑らかさと適度な弾力を持たせ、かつ解凍後食感が 劣化しないためのテクニックとして用いられてきた。
冷凍うどんの食感は加工澱粉の特性にもかなり影響されるため、小麦粉と加工澱粉を配合したミックスとして、目的とする食感を実現するよう製粉会社で開発さ れる。

掲載日 : 2007年6月19日