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2022年11月12日、「2022年度日本フードシステム学会秋季研究会」の報告会がオンラインで行われました。
本研究会の今回のテーマは以下です。
「緊迫する世界の穀物需給事情の麦・大豆のフードシステムに与える影響と国産麦・大豆の生産拡大の可能性」

弊社代表取締役 吉原良一は「製粉業にとっての国内産小麦の意義と生産拡大への期待と課題」のタイトルで以下の報告を行いました。

1.国内産小麦の収穫量と作付面積の推移(昭和25年~令和2年)
2.かつては製粉業界から敬遠された国内産小麦の復活
3.日本人の食感嗜好の変化と国内産小麦
4.日本の小麦が持つ固有の価値(品質特性:グルテニン遺伝子、低アミロース)
5.製粉業にとっての国内産小麦の価値
6.国内産小麦の生産拡大への期待と課題
<課題>
・銘柄毎のたん白量基準設定の必要性
・小麦の分離管理(Segregation)の必要性 ⇒ 品質安定化
・生産拡大に向けて、保管設備の充実と品質管理システム技術の向上が不可欠

<期待>
・日本ならではの食感特性(たん白・でん粉)を持つ小麦品種開発の進展
・健康機能を持つ小麦品種開発(例:高い抗酸化能、免疫機能に関与する機能性成分を持つ等)
・世界的に希少な国内産小麦の遺伝資源を活かした日本固有の食品の開発
⇒ グローバル市場への可能性

各テーマの報告の後に、農林水産省貿易業務課 平野賢一課長から感想、コメントの発表がありました。

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2022年度日本フードシステム学会秋季研究会<プログラム詳細>

座長:吉田行郷(千葉大学)、辻村英之(京都大学)

座長解題:吉田 行郷(千葉大学)

第1報告「小麦の国際的な生産性格差、取引方法の比較分析から国産小麦の増産の可能性を探る」
関根久子(農研機構・中日本農業研究センター)

第2報告「国産大豆の利用・生産状況からみた増産のための課題~大豆加工メーカーの事例分析から~」
田口光弘(農研機構・農業経営戦略部)

第3報告「製粉業にとっての国産小麦の意義と生産拡大への期待と課題」
吉原良一(吉原食糧(株)代表取締役社長)

第4報告「瀬戸内麦推進協議会の立ち上げの意義と国産麦の生産拡大への影響」
浦松亮輔(農研機構・事業開発部)

コメンテーター 平野賢一(農林水産省農産局農産政策部貿易業務課 課長)

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【日本フードシステム学会とは】
日本フードシステム学会は、わが国の食料問題、食品産業問題について、川上の農水産業、川中の食品製造業、食品卸売業、川下の食品小売業、外食産業、それに最終消費である食生活が、それぞれ相互関係を持ちながら全体としてフードシステムを構築しているという新しい観点に立ち、シンポジウムやセッション、学会誌等の刊行を通して、その問題を解明しようとする日本学術会議に登録された学術的な産・学・官共同の研究集団です。


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