季節のたより

早いもので、もう3月中旬近く。雨の多いこの頃。3月の国際食品展Foodex Japan2009も、お陰様で無事終わりました。
さて、3月10日の読売新聞 地方経済版に「うどん追求 専用小麦粉」といタイトルで「旨味の小麦粉」が紹介されました。

旨味の小麦粉「香風(かふう)」とは、うどんの風味(香りと旨味の相乗)が強く感じられ、麺自体が美味しいという、新しい発想のうどん用小麦粉です。醤油うどんの本当の美味しさがここにあります。


開発の動機は?


さぬきうどんの美味しさは「麺の食感」とともに、「麺自体の風味」も重要な要素です。実際にさぬきうどん店や製麺工場では、うどんの食味について漠然と「このうどんには味がある」「味がない」という評価が漠然とされます。製粉会社においても、「当小麦粉製品で作るうどんには香りがあります。」と言ったりします。

でも、うどんそのものの「香り」や「旨味(呈味)」というのは、小麦粉の特性から本当に、常時出せるものなのでしょうか。 熟成時間や環境温度や湿度などの製麺条件によって、たまに現れる不確定な現象ではないのでしょうか。 私自身の素朴な疑問を解決するために、旨味や風味の分析を始めたのが、開発のきっかけです。

まず、この「うどんの旨味、風味」について、当社は以下の3点に着眼しました。  ?@ うどんを食べるときに感じる香り、味覚に「客観性」と「再現性」があるのかどうか。  ?A うどんの「味覚」を構成する要素は何か。  ?B その要素の含有量と、人間の味覚認識との関連性はあるか。 これらを基本に、社内での研究と官能検査、および外部の食品研究所で成分分析を行い、その成果を「旨味の小麦粉」の新製品開発に用いました。

うどんの香りと旨味の調査研究

小麦粉と茹うどんに含まれる”うま味”に関する要素の含有量を定量分析。一方で、パネラーによるうどんの味覚の官能検査を実施し、分析値との関連性について調査研究を行いました。

これらの分析と推論から、口中のうどんのニオイと舌で認識する味のバランスを探り、小麦の挽き方に新たな発想を加えて製粉システムを追加し、上記2種類の製品の完成に至ったものです。

当社では、この「旨味の小麦粉」は、かつての時代のさぬきうどんを想起させると同時に、さぬきうどんに新たな香りと旨味を与える、次世代の小麦粉としても位置づけています。

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さて、「旨味の小麦粉」の懐かしさを感じさせる味わいに関係して......昭和30年代のさぬきうどんを追求していくと、深いものがあります。たとえば、「手合わせ」・・・・
小麦粉と塩水が出会う瞬間を、なぜ、昔の手打ち職人は「うどんの全てがそこで決まる」とまで重要視したのか。小麦と小麦粉とうどん製法を、時代を超えてじっくり見ていくと、いろいろな発見があります。

「さぬきうどんの製法と食べ方には、歴史の”必然”がある。」....最近 私が感じていることです。

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今年は、うどんを打つ皆さんに、ハイブリッド小麦粉「讃岐プレミアム」や「白鳳」等のダイナミックな食感のうどんに加えて、旨味の小麦粉「香風(かふう)」で打つうどんの、口中に広がる”香り”と”味覚”を、楽しんで頂きたいと思っています。

「食感」と「食味」の2つから、さぬきうどんが楽しめます!

これらの新製品は、5月中旬頃にネット販売を開始しますので、もう少しお待ちください! お楽しみに!!!

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うどんを家庭で打ってみませんか。初めての方や初心者の方には、簡単に打てる 「手打ちうどんキット」もあります。

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