オーストラリア産小麦情報

2008年9月5日

先週末(8月末頃)、西オーストラリア州に降雨があり、今年の干ばつは避けられそうです。
過去2年間、8〜9月に至っても、降雨がほぼゼロだったことから干ばつとなったわけですが、今年は今のところ大丈夫そうです。

オーストラリアの小麦収穫は11月頃ですが、順調にいけば、オーストラリア全体の小麦生産高は例年になく豊作になりそうという話も聞きますが、これはもう少し様子をみる必要があると思います。・・・・・

オーストラリアは恵みの降雨がありましたが、ここ香川では四国の水ガメ、早明浦ダムの貯水量がゼロとなり、渇水状態が続いています。四国でも他地域では多雨なのに、早明浦ダムのあたりは降らないのです。全国的には、時間最多雨、集中豪雨対策が問題となっているというのに。オーストラリアの干ばつ、讃岐の干ばつ。うどんに関連する地域は干ばつが多い? ^^;;;

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小麦のシカゴ相場はこの9月は、7-9月決算ということもあり、相場が動き始め、利益を出すため売りに入っていること、そしてロシア、ウクライナ辺りの生産高も十分であることや(西側の小麦相場は値下がっている)、米国、カナダの生産も順調で世界の小麦在庫が持ち直す見込みのため、小麦の国際相場も下降傾向にあります。

米国農務省の直近の穀物需給見通しの発表では、世界の小麦生産量はEU、オーストラリア、米国で生産量が増大することから、対前年比で+8.8%の6億6,422万トンとしています。


ただ、日本の輸入小麦価格の決定は、4月と10月の年2回。「改定月の3ヶ月前」から遡って「8ヶ月間」のシカゴ相場の平均をとって価格を算出する方式で、相場が変動してもそれが次回の価格に直接的に反映しないように設計されています。つまり、「変動をならす」ということで、これは価格の変動が直接的に市場に伝わらないよう、緩衝(和らげる機能)しているわけです。
実は、この「3ヶ月前・8ヶ月間平均方式」は、年2回ではなく、当初予定していた、年3回の変動回数を想定して設計されたものなのですが。

ということは、相場下げの局面にも、時間的に遅れて売渡価格に反映されるということです。先週、農林水産省が発表した今年10月の一律10%の小麦価格値上げは、本来なら銘柄によって18〜25%程度の値上げの計算になっていたのを、政治的判断により値上げ幅が圧縮されたわけで、来年4月の価格は一層わかりにくいものになりそうです。

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今後、小麦相場がどう動くのか注目です。去年末 10$を超えたシカゴ相場も、この9月には7$程度に下がりそうです。ただし、2年前の秋のような、穀物相場高騰の前の小麦価格にはもう戻らない可能性が高い。

又、投機目的で世界を駆けめぐる、いわゆるグローバル・マネー(どれだけの額かは明らかにされていない、というかわからない?世界のGDPの約3倍とも100兆$を超えているともいわれる)が、世界の景気減速の局面を感じて動きを控えているのも、価格下落のひとつの要因です。

いずれにせよ、この9月から12月にかけての小麦相場の動きには要注意です。特に、11月頃収穫のオーストラリアの小麦作柄が重要ですね。


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