季節のたより

香川県産小麦「さぬきの夢2009」に関する意見交換会が、先日、高松市で行われました。
会の主なテーマは、「さぬきの夢2009」の今後についてです。今、国内産小麦は、生産が盛んな地域、麦作をしない地域、あまり積極的に作付しない地域等いろいろです。
香川県では言うまでもなく、さぬきうどんは県民の日常食であることからも推測できるように、小麦の歴史は残る記録だけでも1200年以上前から、水車製粉(石臼挽き)で讃岐産小麦が粉砕加工され、讃岐の食文化の基礎を支えてきました。

香川県の小麦作は、近世~戦前~戦後~高度成長期と激しい時代の変化をくぐり抜け、紆余曲折を経ながらも毎年秋に種を播き、初夏に収穫する営みを1000年を超えて営々と続けてきました。

平成12年当時、うどん用"日本産"小麦としては、画期的な"美味しい麺特性"を持つ小麦として、まさに彗星のように登場した「さぬきの夢2000」。
平成12年9月29日 香川県は農林水産省に香育7号を「さぬきの夢2000」として品種登録を国に出願。
その後15年間、「さぬきの夢2000」は、関連業界の人たちの努力により、生産・品質共に安定し、高い人気を維持してきました。
収穫量が5,000t程度と少なく希少性もありますが、有難いことにうどん用として品質に優れ、小麦としての価値が高く評価されています。

そして、更なるうどん用小麦のレベルアップを目指して香川県農業試験場が品種改良した「さぬきの夢2009」。平成25年産から、香川県産小麦は全面的に「さぬきの夢2009」に切り替わりました。
今、作付面積の拡大に向けて、香川県庁、JA香川、製粉会社とで計画を練っているところです。

JA香川県の中長期生産計画では、さぬきの夢2009は、3年後の平成30年産に6,000t超を目標としています。近年の収穫量が5,000t程度であることから約20%の増加を目指すということになります。
毎年麦作拡大コンクールも行っていて、生産量拡大を図りながら、高い品質で多く収穫できる技術を競っています。

人も企業も団体・組織も日々生きていくには、前進する意欲、つまり"勢い"が必要です。
"勢い"は、目指すものが人や組織の中に明確に存在する時、自然に生まれてくるものだと思います。
さぬきの夢2009の新たな出発。
その帰趨は、小麦生産・小麦粉加工・うどん業者など関係者の人々の連携と、常に新しいものを作り出そうとする熱意によって決まる。
さぬきの夢2009の意見交換会を終えて、そんな気が強くしました。


季節のたよりの記事一覧