開発の経緯
小麦ポリフェノールへの着目
当社では「果実(ぶどう等)や豆類(コーヒー等)にポリフェノールが豊富に含まれるなら穀物の小麦にも含まれるはず」との着想から、2009年に香川県産業技術センターと共同開発に着手。
2011年に、香川県産小麦「さぬきの夢2009」の粉砕加工を研究、ポリフェノールが従来の約2倍含まれる小麦粉「ぎゅっとポリフェ」を発売しました。
しかし、その時点では抗酸化性が高い小麦部位や、由来物質の正確な特定には至りませんでした。
日本初の発見
~小麦胚芽内のトリプトファンが高い抗酸化性をもつことが判明~
その後も研究を継続する中で、小麦の胚芽に着目。
香川県産業技術センターと共同研究を行い、小麦の各部位を測定した結果、日本で初めて、小麦に含まれるアミノ酸”トリプトファン”が胚芽に集中しており、高い抗酸化性(一般のロール挽き小麦粉の約10倍)を持つ物質であることを特定しました。
また、胚芽には抗酸化性の高いポリフェノール「アピゲニン配糖体」「ルテオリン配糖体」が一般のロール挽き小麦粉の約200倍も多く含まれることも確認しました。
これらの機能性の研究と並行して、小麦胚芽を美味しくするための製粉及び加工技術の開発を進め、甘味を強く感じる粉体に仕上げることに成功。 砂糖使用量を減らせ、美味しく、しかも抗酸化性が高い小麦胚芽の粉「スウィートポリフェ®」を開発し、2015年9月に業務用として販売を開始しました。
※業務用のみの取り扱い
さらなる開発へ
当社が開発した「スウィートポリフェ®」は、菓子等の小麦粉を一部に代替することで以下を実現しました。
(1) 小麦粉に配合することで、砂糖の使用量を相当量減らせる ⇒ お菓子・パン等の糖質を低減
(2) 深みのある甘さ・コクの食味を実現 ⇒ 美味しさアップ
(3) 高い抗酸化性を実現 ⇒ 健康性を考慮した食品への利用
「甘さ」「コク」「機能性」
小麦胚芽にはまだ解明されていない点が多々在るのではないかと考えます。
よりよい小麦胚芽製品を生み出すために、今後も研究・開発を続けていきたいと思います。