次世代・香川県産小麦「さぬきの夢2009」の小麦粉 いよいよ登場
2010年(平成22年)9月28日 高松市民文化センターで、「さぬきの夢2009」の小麦粉に関する説明を,関連業者の皆様にさせて頂きました。
当社では、この9月に香川県産・新品種小麦【さぬきの夢2009】の製粉加工を行いました。
製粉性に関する感想としては、さぬきの夢2000に比べ、やや小麦の硬度が高く、いわゆる篩(ふる)い抜けが良い=粉砕途中のストック(小麦片)がサラッとしている感触。今回まだ一度の製粉ですが、製粉のし易さはかなり改善していると感じました。
うどんを試作してみると、まずその冴えた黄色味の強い色調は驚くほどです。さぬきの夢2000に比べて、「うどんの色調」はかなり改善されているようです。又、小麦粉中のたんぱく質で作られるグルテン(うどんの骨格を成す、弾力と伸展性を持つ塊(かたま)り)は、ボリュームがあり、その伸展性が大きい。つまり、小麦粉生地がよく伸びるのです。
このグルテンの伸展性が良いという特徴は、うどんを打つ際の生地の周辺のひび割れや、麺切れを抑制する効果に大きな力を発揮すると思います。 ただし、加水に対する小麦粉の反応ついては、やはり独特の個性があると同時に、さぬきの夢2000に比べて相当改善された点もあります。(詳しくは、当社までお問い合わせください。)
当社での官能検査によるうどんの食感は、とてもなめらかな口あたりで、もちもち感に富むと同時に、弾力性にも優れ、いわゆる「粘弾性」はさぬきの夢2000より評価が高い結果となりました。
この光沢の良さと、黄色味の強い冴えた色調は特筆ものです。 そして、もちもち感と弾力感も秀逸。讃岐では、うどんの角が立つ麺を好みます。「角が立つ」あるいは「麺の断面が俵(たわら)状になる」のは、製法にもよるのはもちろんですが、小麦粉中のグルテン質の特性にもよります。
さぬきの夢2009の「幼穂(ようすい)<2010.2.24撮影>
小麦の穂の赤ちゃんの可愛い「幼穂」。
既に、「穂」の形をしています。
この"幼穂(ようすい)"が以下のように登熟し、今回初めて製粉したわけです。
今年のさぬきの夢2009の収穫量はまだごく少なく、来年以降の県内幅広い地域での生産拡大を楽しみに待ちたいと思います。
【登熟した、さぬきの夢2009 (H22.8.13 吉原食糧 撮影)】
今年度産の「さぬきの夢2009」を見る限り、さぬきの夢2000に比べて大きな進歩をした小麦品種であると言えると思います。たとえば、先述のように、うどんの官能評価において、さぬきの夢2000のうどんの「滑らかさ」は
そのままに、「もちもち感」と「適度な弾力感」は更に良くなっています。
さぬきの夢2009の現段階での評価を端的に表現すると、
「”小麦の生産性(単収の増加)”、”製粉適性(挽き易さ)”の点で改良され
”製麺適性(うどんの打ち易さ)は大きく改善が進み”
”うどんの色調”は冴えた黄白色の色調で大変美しく、”食感・風味”においてバランスのとれた
完成度の高い小麦」。
いよいよ、名実共に【次世代 香川県産小麦】の誕生です。
今年11月の種まきから実際に小麦の増産が進み、その小麦粉がうどん店・消費者の皆様にどう評価
されていくのか・・・香川県産小麦「さぬきの夢」は次のステージに移りました。
(尚、今年度のさぬきの夢2009の小麦収穫量はまだ少量で、本格的な小麦粉の販売は来年(平成23年)9月頃以降になります。しかし、業務用でご検討中の方やご興味のある方は、今の時点で早めに、ご遠慮なくご一報ください。詳しい内容、サンプルについてお知らせさせて頂きます。)