さぬきの夢情報

香川県もだんだん春めいてきました。
暖かい昼過ぎに、近くの小麦畑へさぬきの夢2000の生育状況を見に行きました。
日本の小麦(北海道産小麦を除く)は、11月に播種(種子を蒔くこと)し、5月末頃に刈り取りします。
3月の今頃は、まだまだ小麦は青く、成長途中です。
すくすくと育つ小麦の顔・顔・顔。
大地で勢い良く育つ小麦を見るのは、子供たちを見ているようで嬉しく、可愛らしく感じます。
そして頼もしさも。元気に大きく育て!

さて、先日、「さぬきの夢2000」推進プロジェクトチーム検討会が開かれ、参加しました・・・.

平成20年産(5月に収穫)の作付面積は1,500haで、去年より約150ha増えました。
種を蒔いた11月から年末にかけて、例年より気温が高かったことにより、過度の成長(分けつ数が多く、丈が長めになる)が懸念されましたが、今年に入って、気温が低かったためバランスがとれ、概ね順調に成長しているようです。
20年産の収穫見込みは、5,400t程度。去年産は、約4,800tでした。毎年確実に収穫量は増えています。

さぬきの夢2000の後継品種についても話し合われました。最短で平成22年蒔き〜23年5月収穫からを目指す。ただし、最短でのスケジュールですから、多少延びるかもしれません。
後継品種の候補(複数)は、粘弾性・なめらかさの特性で、かなり現行品種より優れている官能検査の結果となっていますが、今後更に評価をしていく必要があるでしょう。

早く、実際に県内の畑で収穫した小麦を実際の工場ラインで製粉し、その小麦粉でうどんの評価してみたいですね。
いずれにせよ、期待できる高品質の後継品種小麦となりそうです。
去年、私も実際に複数の後継品種のうどんを試食してみましたが、なかなかのものでした。期待できます。

私は、5年前のこのさぬきの夢2000に関する会で、自給率について触れて「基本的に香川県産小麦の増産に向けて努力すべき。しかし、販売あっての生産。そこが難しいが、2次加工食品(うどんその他の加工食品)販売の拡大に努力し、その販売にある程度見合った生産量の拡大に努力が必要。」という趣旨を述べました。
そして、今。 「”国の自給率”というより、各地域エリア、例えば四国全域での食料の自給自足率の向上を考えていく時代なのでは?」という意見を述べさせて頂きました。せめて、今のところ豊富な米に加えて、小麦・大豆は、各地域で自給自足に向けてビジョンを持つ必要があるのではないかと思います。

最近の穀物相場高騰・穀物在庫の減少傾向を受けて、穀物輸出国では輸出に対してブレーキをかける傾向が見えてきています。例えば、中国。「米袋政策」と呼ばれる穀物責任政策。温首相は、「各省長は穀物袋、各市長は野菜かごに責任を持たねばならない」との発言が報道されました。
フィリピンでは、米について1000万tの国内産では足りず、毎年200万t近くの米を輸入している中、フィリピン政府が米を求めて動くなど国際市場では、小麦だけでなく米の品薄状態も一部表面化しています。

これらは、売り控えや中国がかつて経験した悲惨な食料不足を反映したことへの政策的な判断によることも含んでおり、あまり過度に反応することは適当ではないと思いますが、米も含んで穀物の国際市場の環境と構造が大きく変化していることは確かです。

国の基本は、「エネルギー」「軍事」「食糧」と言われます。
日本の農産業を議論する時、必ず「補助金を含む助成の是非」や「農業経営の難しさ」について、一方では「国際競争力の低さ」や「農産業における自由競争導入の是非」が出てきます。最近では、「食の安全性」が切迫した問題として浮上しています。
生産者の主張もあり、消費者の購買行動の理由・動機もあり、経済界の農産業に対する考え方もある。
それぞれ食い違うばかりでは、将来厳しい状況になることも予想せざるをえません。

国に全て依存するのではなく、各地域で、食糧の確保に向けてどう取り組むか。
これが、今強く求められているのではないでしょうか。

以下に、香川の大地で元気に育つ「さぬきの夢2000」の姿を載せます。春の息吹を感じますね。


【若々しく、瑞々しい穂】

【仲良く整列】

【さぬきの夢2000の顔・顔・顔】

【さぬきの夢2000の顔・顔  仲良しグループ?】

【大きい子、小さい子 皆仲良く一列に】


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