「さぬきの夢2009」製麺研修会
2014年(平成26年)9月17日、さぬきの夢研修会で、香川県産小麦「さぬきの夢2009」について、県内のうどん業者の皆様に、以下の話をさせて頂きました。
その後、さぬき麺業の香川社長、うどん麺処 千ちゃんの寺島店主がうどんの製法について説明し、実際にその場で手打ちしたうどんを試食しました。
吉原食糧(株) 吉原良一の講演内容
1.香川県産小麦「さぬきの夢」とは
(1-1) 「さぬきの夢2000」誕生のインパクト
~当時の国内産小麦の状況と、さぬきの夢の評価~
平成10年7月28日 香川県産小麦「チクゴイズミ」の製麺適性評価会 ⇒ 品種改良アクションの起点。
平成15年3月26日 「さぬきの夢2000」品種登録完了。
(当時の背景)
・平成12年度から、国内産小麦の売買を小麦生産者(全中、全農等)と実需者(製粉企業等)が直接売買する
「民間流通制度」が開始(売買行為には国が介在せず市場原理の導入)。
・平成15年 さぬきうどんブームがピークに達した。
(1-2) さぬきの夢2000から2009へ進化
~「2000」と「2009」の違い~
・さぬきの夢2000の麺特性: ①なめらかさ ②もちもち性 ③麺の風味
・さぬきの夢2009の麺特性: 上記特性 +(グルテンの伸張性の改良)+(更に冴えた黄白色 )
特筆すべきは、2009は製麺時あるいは茹時の麺の切れが格段に少なくなったことである。
それは グルテニン(たん白質)の改良による。
⇒ グルテンの物性の伸展性が良くなった(グルテン質の物性変化)ということは、当然 麺の食感にも
影響する。
2009は、2000のもちもち感に加えて、よりダイナッミックな弾力性が付加された。
<u>2.「さぬきの夢」と「ASW(オーストラリア産小麦)」の違い</u>
(2-1) 日本向けASWとは
① ヌードル品種と、APW(オーストラリアン・プレミアム・ホワイト:Australian Premium White) というたん白含有量の多い白色系硬質小麦の2種配合。
② 本来、ヌードル品種は、中庸なたん白量を持つハード系小麦と分類されていた。(吉原食糧の調査による)
(2-2) さぬきの夢とASWの「生地(物性)」と「うどんの食感」の違い
3.他県産小麦(うどん用)との「生地(物性)」と「うどんの食感」の違い
・北海道産
・九州産
・愛媛県産
4.小麦粉特性からみた「さぬきの夢」製麺時のポイントと注意点
・他県産とは異なる、さぬきうどん用小麦としての特性
・加水と塩濃度
・水まわしのポイント
・ミキシングと生地の鍛え方
・注意すべき生地表面の問題
・熟成時間はどれ位が適当か
・さぬきの夢:生麺とは異なる乾麺、手延麺の食感
5.「さぬきの夢」の価値と可能性
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