さぬきうどんの名人たち

「子供の頃、家に帰るとうどんの匂いが漂ってくる。"うどんやぁ!" 嬉しくて仕方がなかったなあ。」 香川さんは語ります。
香川さんの原点は、生まれた時から体で覚えたうどんの香りと味です。
そして、「うどんの原点は"手打ち技法"。」と香川さんは語ります。



昔、東讃(香川の東部)では、高松を中心にやや細めで柔らかめな弾力のあるうどんが多かった。それに比べ、西讃(香川の西部)の方は、どちらかというと太めのしっかりとした弾力のうどんが多かったのです。
(最近は、県内全体にうどんの食感は全体として、差がなくなってきたような気がしますけど。)

さぬき麺業 香川さんのうどんは、「なめらか(輝く光沢)」「冴えた黄色」「もちもちとした弾力」という、まさに東讃の代表格の味です。祖父の時代からの手打ちの技。私の個人的な見方ですが、現在の讃岐うどんの手打ちの技は、この香川家の流れから派生していっているように思うのです。


現社長の香川さんのお父さんも、昔から讃岐うどんの技術を求めて全国からやって来て、教えを求めて門と叩く人達に広く門戸を開き、丁寧に手ほどきをし、惜しげもなく技術を教えてきました。私も、何人もの人を紹介させて頂きました。技術を習得し、香川家から卒業していく人に「手打免許」という木の看板が卒業証書として渡されました。  

平成15年をピークとした讃岐うどんブームのずっと前、昔からこのような「技術の伝承」と「奉仕の行い」の積み重ねが、讃岐うどん業界を支えてきたことも忘れてはならないと思うのです。



「さぬきうどん品評会」「さぬきうどん技能グランプリ」で30年近く、最高賞を含め連続入賞を果たしている実績は、日頃の徹底した手打ちの鍛錬の結晶。
香川社長は、香川県産小麦「さぬきの夢2000」の普及にも力を注ぎ、NHK番組「プロジェクトX」で小麦開発の中心的存在として、その"熱き心"が紹介されました。香川さんは、代々讃岐うどんと生きてきて、うどんに対して、非常に厳しい目と深い愛情の両方を持っています。


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さて、だしは煮干・かつおを中心に旨味の複合感を出したさぬき麺業独特の味。「香り」の強い、風味抜群の本格派のさぬき麺業独特のだしです。

麺業3代 80年。まさに、「讃岐うどん人生」そのものを歩む。
香川さんの家系では、おじいさんの代からうどんを打ち続けています。長い時間の流れは、世代を超えた技の蓄積となり、讃岐うどんのひとつの「かたち」となって今、存在している。これを、技と味の伝承と言うのでしょうね。



質問 : 未来に向けて、どんなうどんを作っていきたいですか?
香川さんの答え : 寝てもうどん、覚めてもうどん。 とことん手打ちにこだわり、品質にこだわり、お客様のために美味しいうどんを作り続ける。それだけや。

讃岐うどんにかける熱い思いの言葉が、短く明確に力強く語られました。
現在、本社工場の近くの松並店など県内10店舗。西日本で直営店は1店舗。


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※さぬき麺業 松並店
住所  香川県高松市西ハゼ町235−1
TEL 087−866−4981

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