Q5. うどん県民は糖尿病県民?
香川県といえばうどん。
その認識どおり、うどん・そばの消費量は全国で1位です。
香川県民には欠かすことのできないうどんですが、糖尿病受療率や糖尿病死亡率など 糖尿病に関する調査で、全国ワースト上位に何度かランクインしたことがあるせいか、糖質の多い”うどん”は「香川県民の糖尿病の原因なのではないか?」と、まことしやかに囁かれています。
さて、実際のところ 香川県民の糖尿病にはうどんが影響しているのでしょうか。
「食べ物」より怖い「食べ方」
【振り返り】Q2.糖尿病、尿に糖が多い病気?
たしかにうどんは糖質の多い食べ物です。しかし、炭水化物である
白米や食パンなども、もちろんうどんと同じように糖質は高いです。
注目していただきたいのは、「うどん」そのものではなく
『食べ方』『食べ合わせ』 なのです。
糖質と食物繊維の関係
炭水化物は糖質と食物繊維をあわせたものの総称です。糖質がからだを動かすエネルギーになるのに対し、食物繊維はほとんどエネルギーにはなりませんが そのかわりにからだの調子を整えたり、糖質がエネルギーになる過程で上昇する”血糖値”の急上昇を抑制してくれます。
同じ高糖質でも、米やパンは血糖値の急上昇を抑えてくれる食物繊維(野菜など)を一緒に摂りやすいので、血糖値の急上昇を無意識に抑えることもできます。しかし、うどんは単品で食べることが多く、意識して摂取しなければ食物繊維不足になりやすいです。
美味しい誘惑
また、『食べ合わせ』の注意点としてもうひとつ…
うどん店には様々な美味しい誘惑が。
おにぎりにてんぷら、時々おでん。うどんと何か、炭水化物×炭水化物の食べ合わせに手が伸びてしまいませんか?
「菓子パンを一度に何個も」「食パンにジャムをたっぷり」「カップ麺の残ったスープにごはん」
”うどんと何か”に限らず、日常には様々な糖質過剰摂取の誘惑がありますね。
それらも時々なら良いでしょう。毎日お昼にうどんを食べる方、サイドメニューを振り返ってみると…どうでしょう、糖質だけ食べすぎにはなっていませんか?
早食い、大食い、血糖値は急上昇
『食べ方』も注意点の一つです。うどんはつるつるとした食感から早食いになりやすく、また、2玉, 3玉…をぺろりと食べることができてしまうので食べ過ぎになりやすいです。
うどんそのものはごはんや食パンと糖質量は変わりませんが、 手軽さ、美味しさ、安さなどがかえって偏食を引き起こしてしまっていたのかもしれません。
まとめ
「うどん県民は糖尿病県民?」
うどんが大好きなうどん県民だけでなく 早食い、大食い、偏食 気味な方は糖尿病に要注意。
一度「うどんとおにぎり、ついでに天ぷらも!」と食べたいものだけを食べ合わせたくらいでは病気にはなりません。普段から野菜を摂らなかったり、沢山食べたのに全く運動しなかったり、糖質たっぷりの食事を毎日繰り返したり。そういった食生活が危険をもたらします。
昨今では「糖尿病対策検討会」や「小児生活習慣病予防健診」など様々な取り組みが香川県内でなされています。
「糖尿病になるからうどんは食べない!」ではなく「おいしくうどんを食べるために食べ方に気をつけよう!」で、うどんが好きな全ての人に良いうどんライフを。
次回予告
次回、「”食後血糖値の上昇をおだやかにする”って?」
機能性表示食品などに見られる”糖の吸収をおだやかにする”という機能。
どのようにおだやかにしているのでしょう。おだやかになるとどのような利点があるのでしょう。
血糖値上昇のメカニズムをおさらいしながら解説します。