抗酸化性物質「ポリフェノール」とは?
最近、食品業界でも「ポリフェノール」や「抗酸化性」といったワードをよく目にします。
なぜ今、「ポリフェノール」や「抗酸化性」が健康機能として注目されているのでしょうか。
それは、ポリフェノールが活性酸素を除去する代表的な「抗酸化成分」のひとつだからです。近年、高い抗酸化能は、健康体維持に必要な機能として注目されています。
酸化と活性酸素
金属×酸化→さび、ヒト×酸化→?
鉄は酸素と結びつくとやがて酸化鉄になります。これが所謂”さび”。 食物を室温で放置すると色や味が変化するのも酸化によるものが多く、酸化防止剤や脱酸素剤を使用することがあります。 同様に人間の体も、生きているだけで少しずつ、少しずつ酸化していきます。
「活性酸素」は酸素分子に由来し、不安定な電子位置をもつ物質です。 人間の体内で発生する「活性酸素」は自らの安定を求めて、激しく動き回り、細胞やたんぱく質・脂質の損傷・酸化を進めてしまいます。 その結果「活性酸素」は、細胞の老化をはやめたり、生活習慣病やがん等種々の発症のリスクを高めることが知られています。
例1)核酸(DNA)を酸化させ、正常な細胞をガン細胞へと変化させる
例2)酸化したLDLコレステロールが血管内に付着し、動脈硬化などの原因となる
例3)皮膚内のコラーゲンを破壊し、シワやたるみ等の皮膚の老化をまねく
酸化を抑制する「抗酸化性物質」
活性酸素の働きを抑制する作用を持った成分が「抗酸化性物質」。アスコルビン酸(ビタミンC)やポリフェノールがその代表です。 活性酸素は生体内の様々な物質と結びつき悪影響を与えますが、「抗酸化性物質」は自らが活性酸素に結びつくことで、酸化を防ぎます。
抗酸化成分を含有した食品を摂取する事により、血中の酸化ストレスを低減する事ができるとして最近は健康食品にもよく利用されています。
植物由来の「ポリフェノール」
「ポリフェノール(polyphenol)」は、植物の樹皮や種皮、種子などに含まれる色素や苦味・渋味成分で、分子内に複数(ポリ)のフェノールを持つ植物成分の総称です。
虫や小動物による攻撃、光合成のプロセス、紫外線により生じる活性酸素から、植物自身が自らの生命を守るための生体防御物質(=抗酸化性物質)としても知られています。
代表的なものに大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン、タンニン、タマネギのケルセチン、ブルーベリーのアントシアニンなどがあり、自然界には5000種類ほど存在するとも言われています。
発見された小麦の抗酸化力!
当社では「果実(ぶどう等)や豆類(コーヒー等)にポリフェノールが豊富に含まれるなら穀物の小麦にも含まれるのでは」との着想から、2009年に香川県産業技術センターの支援を得て開発に着手。
2011年にポリフェノールが従来の小麦粉の約2倍含まれる小麦粉「ぎゅっとポリフェ」*1を発売しました。
その後の研究により小麦の胚芽に着目。
(公財)かがわ産業支援財団の「かがわ中小企業応援ファンド事業」を活用して同センターと共同研究を実施した結果、小麦胚芽に従来小麦粉の約9倍のポリフェノールが含有していることを確認しました。そして独自の加工技術により小麦胚芽を甘く口当たりの良い粉体に仕上げ、高い機能性と甘さ・コクを兼ね備えた「スウィートポリフェ®」*2の販売を開始しました。