知ってほしい、食物繊維のコト
栄養素の中での食物繊維
三大栄養素「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」
ごはんや麺、パンなど食事の中のいわゆる主食が炭水化物です。
食物繊維にはからだを作ったり、エネルギー源になったりといった三大栄養素らしい機能がないため、どちらかというとビタミンやミネラルに似た分類と思われるかもしれません。実際には炭水化物に分類され、さらに水への親和性の違いから「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分かれます。
「ヒトの消化酵素(唾液や胃液)で分解できない、食物に含まれる難消化性成分の総称 」で、糖質とあわせて「炭水化物」に分類される栄養素。糖質は体内で酵素によって分解され 体を動かすエネルギーに変わりますが、食物繊維は腸内細菌が一部分解するだけなのでほとんどエネルギーにならず、多くが便としてそのまま体外に排出されてしまいます。その一方で、性質の異なる2つの食物繊維「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」には様々な生理機能があります。
不溶性食物繊維のはたらき
不溶性食物繊維 … 水に溶けにくい食物繊維
多く含む食品 … 小麦、ごぼう、玄米 など
不溶性食物繊維は水に溶けにくいので水分を抱え込んで体積が増大、糞便量が増加します。消化管内を移動するとき、体積が大きいので腸を刺激し、蠕動運動(腸の運動)を活発にします。すると食べものの残りも体外に排出しやすくなります。また便が増えるとその分排便回数が増えるので、一緒に有害物質を体外に排出してくれます。
水溶性食物繊維のはたらき
水溶性食物繊維 … 水に溶けやすい食物繊維
多く含む食品 … 大麦、きのこ、海藻 など
水溶性食物繊維は消化管内で粘性のあるゼリー状になるため、糖を抱え込んで腸内をゆっくり移動したり、悪玉コレステロールに吸着して体外に排出したりします。
この作用により食後血糖値の上昇をおだやかにしたり、悪玉コレステロール値を下げたりします。
また不溶性食物繊維・水溶性食物繊維ともに、食物繊維が腸内細菌の餌となることで、ビヒィズス菌などの善玉菌が腸内環境を良好にし、おなかの調子を整えてくれます。
食物繊維を摂ろう
日本人の食物繊維摂取目安量は成人男性で20g以上、成人女性で18g以上とされています。成人男女全体の平均摂取量は例年14g程度で、常に目安量を下回っており、特に20~60歳が食物繊維不足といえます。食物繊維には上記にあげたようにおなかの調子や、過剰摂取になりやすい糖質、コレステロールを調整する機能があります。
食物繊維は、糖質やたんぱく質、脂質に比べると 意識して摂取しなければ摂りづらい栄養素ですが、食生活が乱れやすい20~60歳の方には是非とも取り入れて頂きたいもののひとつです。
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食物繊維の摂取目安には「水溶性食物繊維」「不溶性食物繊維」どちらをどれだけ摂らなければならないかという基準はありません。
厚生労働省の調査では、摂取している食物繊維のおおよそ4分の3は不溶性食物繊維という結果が出ています。
全粒粉パンや玄米ごはん、ごぼうチップス、野菜ジュースなどなど、食物繊維が多そう…と思い浮かぶ食品・食材は不溶性食物繊維が豊富なものが多いので、何に水溶性食物繊維が多いかを知らないと、ひとりひとりの目的に合った水溶性・不溶性バランスをつくるのは難しいのかもしれません。
食物繊維をもっと摂りたい方へ
小麦をまるごと挽きこんだ全粒粉、独自の製粉で挽いた石臼挽き小麦粉には、通常の小麦粉と比べ食物繊維が約1.5~5.0倍含まれています。 また、2019年4月発売 大麦パンケーキミックスには水溶性食物繊維 大麦β-グルカンが 2000 mg 含有。食後血糖値の上昇をおだやかにする機能性表示食品です。
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